ボランティア養成講座
養成講座内容
困難の中にあって苦しんでいる人を訪問し「傾聴」によって全人的なケアをめざすことは、ボランティアといっても誰にでもすぐにできるわけではありません。それには、しっかりとした基盤の上にたった、系統的な教育と訓練を受ける必要があります。
日本傾聴塾は、講義、演習、実習、振り返りからなる48時間(8時間×6回)の養成講座を開いています。 そして、その講座の修了者が、傾聴ボランティアとして活動をしているのです。 また、会員は月に1回の研究会、年に1~2回の一日研修会で継続した研修を行っています。
座談会
「養成講座を終えて」2021年8月
神奈川傾聴塾の養成講座を7月に修了し、新たに会員となられた方お二人(Aさん、 Bさん)に感想やご意見を伺いました。聴き手は日本傾聴塾広報委員(C,D)の二人です。 以下概略を、ご紹介します。
自己紹介・及び受講動機
Aさん:子供の頃に子供専門の病院にお世話になった経験があり、子供に向けた傾聴が出 来たらと思っていたが、コロナの影響で今自分に出来ることを探し、SNSなどを使って 「若い世代」に向けての「書く傾聴を」模索している。講義で学んだスキルにプラスアル ファが必要だと思う。8月のレポートを作成中で、10月の村田先生の講演会の前までには自分の活動をまとめ たレポートを提示して、資料の一つ、あるいは自分の経験談としてまとめたい。
受講の動機は、家族を亡くし自分が病気がちになってしまい、精神的にも落ち込んでし まって、同じような苦しみを持っている人たちに対してもどう対応したら良いのか、自分 に何かできることはないかと思い、ホームページで木村会長の言葉や受講された方の言葉 を知り受けてみようと思った。
以前から同じような境遇の方とSNSでつながりを持っていたが、相談を受けて話を聴 くときに迷いがあった。養成講座を通して、スピリチュアルペインに注目して相手を尊重 し意識を向けて聴いていけば自然に苦しみを吐き出すことができるということを学べた。 傾聴の為のアカウントを新たに作りやり取りを始めたが、難しさも感じている。 今後の課題と考えている。
C:北海道傾聴塾で9年ほど前より活動中。ホームページに関わる広報委員は立ち上げから席を置いている。
D:私は2004年に神奈川傾聴塾に入会した。ホームページを見て受講してみようと思う方 は多い。今日は講座を終えた感想をぜひ伺いたい。
Bさん:現在の業種は教育関係。その視点から傾聴の活動の仕方や接し方、そういったこ とで少しは貢献できるかと思っている。一番知りたかったことが8割がた解決出来た。非 常に大きな収穫を得た。傾聴をしっかりやれば、「相手が勝手に話し始める」と言うこと が腑に落ちなかったが、今回の講義で「そういうことなのか」と腹落ちした。今まで勉強 したこととのつながりが出来たのは大きな収穫だった。
コロナ禍の中での受講
C:コロナ禍になってから、本来のボランティア活動としての方向が違ってきた。対面で お話を聴かせて頂く活動が出来ない状況の今、傾聴に興味を持ったのはなぜか?Bさん:コロナだからということではなく、本当に自分にとって必要だからというのが最 優先。コロナの環境で今まで行っていた仕事のやり方を変える必要があると感じ、同じよ うに対面からパソコンを使っての傾聴は進めていく必要があると感じている。
Aさん:特にコロナというよりか、(受講前のSNSでの)相談で悩んだことがきっかけ で、若い世代がSNSを使っていても、ケアできていない。そういう場所を「書く傾聴」 で受け止め、若い世代の依り所になれば良いと思う。
養成講座の実習での感想
D:聴くスキルを使っての実習で「あぁ、これで自分と相手の間で何か変化が起こった」 と実感したことはあったか?Bさん:企業の施設長と何回か会話したが、「変わった」というところは確かにあった。 こちらから質問しないと返事が返ってこなかったが、どんどん話をしてくれるようになっ た。傾聴が終わった時には、「聴いてくれてありがとう」とお土産をもらった。自分が言 いたかったことが私に言えた、気持ちが軽くなったということではないかと思う。
仕事柄出張が多いが、「どうしてあなたが出張者として行く必要があるのか。」という 家族の会話の中で傾聴をしたケースがあった。(犬にえさをやるとか、散歩させる)とい う心配事ではなく、「あなたが感染しないのか」ということが出てきて傾聴の手法を使わ なかったら(犬の散歩がいやだ)というところで終わってしまっていたのかもしれないと いうことはあった。
Aさん:基本的には母親との日常会話で、今までだと「そうじゃないよ。」とか「なんで そういうことを言うの。」とか、関係が近ければ近いほどそういう言葉が出やすい。相手 の気持ちを待ってあげる。その中でスピリチュアルペインが出て来るかもしれないと学ん だ。スキルを使って聴くことで、向こうも自分の考えをまとめようとして話してくれる。 普段だと聴こうと思わないが、「聴く」と言う態度を学んでからは(そういう姿勢が出来 た。)
一般的な「傾聴」と私たちが学んだ「傾聴」の違いは感じたか?
Bさん:一般的に使われている「傾聴」は、答え探しの一つの手法だが、今回の学びでま ったく違うと解った。一般的な「傾聴」では家の土台、底辺にはなっていない。もっと重 要視した方が良い。学校教育でも全くやっていないので、社会人になった時に、自分の気持ちを伝えられな い、言いたいことが言えない聴いてもらえないということが、離職につながってしまう。 外国人の技能実習生もストレスを感じているが、聴いてもらえる仕組みが全くなくて、 今後傾聴は必要があると思う。
Aさん:だいぶ違うような気がする。ゲートキーパーのためのスキルとしての傾聴なども 誰にでもできることを目指しているようだが、かなり意味が離れている。私たちが学んだ 傾聴を知ってもらえば、聴く側も話す側も、もっと気軽に苦しみを話せる環境になるので はと思うし、普及出来たら良いと思う。
今後の活動に不安はないか?
Bさん:施設に行って話を聴く活動に問題はなく、環境が整えば参加してみたい。今後の活動に傾聴塾からのフォローアップや、モチベーションを保つための案内などは あるか?日常生活に追われていると、このままの気持ちのキープが難しく思う。
Aさん:始めたばかりということもあるが、経験を積まれた方の話は非常に貴重と感じて いる。ある方の経験談として、話ができる段階ではない寝たきりの方への傾聴活動を聴い た。全く話ができないにもかかわらず、迷いながらも(そばにいることを)長く続けてい たのだが、「今日は最後なんですよ。お別れですね。」と言ったときに、その方が声にな らない声を振り絞って何かを言おうとしていた。「そこにいるだけでも傾聴活動の一つに なる」と気づいたと話されていた。話せなくてもいいんだ、そういうことが、スピリチュ アルペインのケアになりうると気づいたのが大きな収穫だった。
また、各地の傾聴塾の情報も欲しい。仕事をしていると平日の例会参加は難しいので、 土曜日曜の勉強の場なども考えてほしい。そのことで若い世代も現役の方も参加しやすく なり、(傾聴活動の)底上げにもつながると思う。
D:各傾聴塾の事情に応じて平日あるいは週末に月例会を開催している。月例会では活動 の振り返り、検討、ディスカッションを通じて学びを深めている。
村田先生をお招きして開催する一日研修会は、全国の会員が参加可能である。
今後はリモートの環境もさらに整って、各地の例会などにもっと気軽に参加できるよう になると思う。
広報委員として全国各地の情報をホームページに掲載していくなど、今日のお話を活か していきたい。
2021年度 受講者の感想
話し終わるまで待てない、話の先を予測したり、なんと返事をしようか等、頭はいつも何
か考えている。本当に人の話を聴いていたのかなと、反省している。また、今までは相手
を理解できると思い、理解しようと努めてきた。しかし、深く考えると、経済的困難に陥
った人に対して同情はできても本当には理解できないだろうし、死にゆく人の気持ちは察
することはできてもその痛みを本当に理解することはできない。そういうことを考えさせ
られた講座であった。
「聴くことはそれだけで援助になる」ということについては、ちょっと衝撃だった。
傾聴とは、私が相手を理解して痛みや悩みをわかってあげることで、相手が聴いてくれる
人がいるという安心感が得られることだと思っていた。しかし、傾聴はあくまでも相手が
主であって、相手が自分のことを分かってもらえたと実感することだと学んだ。苦しみを
引き出そうとする必要はないということがわかった。それは私にとってかなり大きなこと
だった。いたみ、苦しみをなんとかしてあげたいという気負いはなくなり、待つことが
できるような気がする。やはり、私はなんとかしてあげようと思っていたんだと気づき、
力まず傾聴に臨める気がしてくる。受講して様々な学びを得たと感謝しています。(60代 女性)
6回の講座を終了し、得たものや気づきが多々ありました。
私が知りえる「傾聴」とは違ったものであり戸惑いもありましたが、回を重ねるたびに新
たな学びとなりました。
「傾聴」と「カウンセリング」が混同していた事が整理できました。今まで使っていた
技法や手法を駆使しなくても、会話の流れから自然と話し手の口から思いや混乱していた
心の中を開いてくれた事にびっくりしました。話し手の背景や状態を憶測せずに会話に集
中出来たと同時に、今まで手法や技法に拘っていてきちんと相手の話の内容に向き合って
聴いていなかったのではと反省しました。
また「聴く事は、それだけで援助になる」はとても印象に残っています。「援助」につ
いて、これまでは深く考えた事がなかったような気がします。
肉体的な援助や経済的な援助など様々な援助が考えられますが、「傾聴」が援助と結び
つかなかったです。「聴くことはそれだけで援助になる」が今までの自分への問いだと思
います。
6回の講座を終え、私の「傾聴」に対する見方や考え方が変わりました。
傾聴ボランティア養成講座を受講させて頂き感謝申し上げます。とても良い学びが出来
た講座でした。また講座をはじめ傾聴を志す受講生の方々との出会いにも感謝致します。
ありがとうございました。(40代 男性)
講座では、なんとなくわかっているはず?の事柄に対して、上手く自分の考えを伝えら
れなかったり、質問の意味を取り違えていたこともありましたが、いろいろな事に対して
改めて「どういう事なのか?」考えるきっかけを沢山いただいた時間だったと思います。
「なぜ聴くのか」その意味がはっきりしていることが大事であると講座で教えて頂きまし
た。この問いはこの先も考えていかなければいけないテーマなのかもしれません。
コロナ禍で友人に連絡を取り合うことも、電話をすることからも遠ざかっていましたが
今回、傾聴活動実習のおかげで連絡を取るきっかけにもなり、傾聴活動実習ではありまし
たが、自分の心も癒されていった気がしています。「1分でも2分でもギアチェンジする
と聴ける」その事(いつでも、どこでも、短時間でも)が今、自分が始められる第一歩な
のではないかと思っています。「今」のその人の苦しみをキャッチできるように、「今」
のその人の話を上手に傾聴して援助することができるようになっていきたいと思っています。
人の意見を聴いたり、自分の意見、想いを人に伝えたり、話し合ったり、一人では学べ
ない事がたくさんありました。
素敵な時間と学び、そして出会いをありがとうございました。(40代 女性)
講座には様々な考え方の方が参加されており、「私も最初は聴くことだけじゃ物足りな
いし、本当にそれだけで助かるの?と思っていた」と共感することがあったり、実際に聴い
てもらって助かったという、話す側からの実感の話を聴かせてもらうことが出来たり、
傾聴を実際にやってみたけど不自然さを感じて、あまりうまくいかなかったという体験に
私も同じだなと思わせてもらったりしていました。他の参加者の方たちのレポートを通し
て、聴き方がどんどん変わっていくのを知れるのも楽しく、一緒に参加する人によって、
養成講座の雰囲気は大きく変わってくるし、学べることも変わってくるものなのだという
ことを感じました。
2回目の受講だけれども、講義の部分でもやっぱり忘れてしまっている内容があったり
逆に覚えていたことを何度も繰り返していくことで、より理解が深まりました。講義自体
も楽しいもので、最後まで良い学びの時間となりました。レポートは養成講座の宿題とし
て「出さないといけない!」と思うと、頑張れますし、普段の会話の時から、傾聴になる
ところを探していくので、より相手の気持ちを聴かせてもらおうという心構えが出来てく
るように感じました。講座の中で講師が傾聴をとても大切にされ、そしてそれを伝えよう
とされている必死さが伝わり、私も、また他の参加者の方々も真剣に取り組まれ、大変す
ばらしい養成講座になったのではないかと思います。(会員 再受講)
2019年度 受講者の感想
今回、全講座と実習を終えて、本当に濃くて学びのある、あっという間の1か月だったなと感じています。
最初は、どんなことをどのようにして学ぶのか何も知らず、少し不安もありました。
しかし、毎回講座の後に実習があったので、学んだことをすぐに実践することで知識の理解が深まるのを
感じることができました。実習の後に書く会話記録は、援助ができたかどうかをふり返るよい機会になり、
毎回講師から頂くコメントを読むことで、次回の実習に向けて何を意識すればいいのか考えることができて、
その結果、さらに理解を深めることができました。おかげで、この1か月で傾聴に対しての考え方が大きく変わったと実感しています。(中略)
傾聴を学ぶにあたって「人とは」ということを深く考えるきっかけもこの講座にはたくさんありました。
傾聴を深く知るには、必然的に人とは何か、ということを考えることにつながり、人として生きることの難しさや、
人と関わることの素晴らしさをこの講座を通して考えることができました。
講座を終え、やっとスタートラインに立てたくらいかな、と思うのでこれからも謙虚に学び続けながら、傾聴を深めていきたいと思っています。(20代 女性)
受講前は傾聴を簡単に考えていたことから、いざ講義、実践が始まると、その難しさ、奥深さに戸惑うところから始まりました。
特に、初日の午後からもう実践という流れには、だいぶ面食らいました。
ただ今にして思えば、やはり実践していく中でしか感じられない、気づけないことの方が多いと思うので、
それも必要な経験であったと感じます。探り探り、恐る恐るの実践ではありましたが、座学と実践の繰り返しはやはり効果的なんだなと感じました。
傾聴を知れば知るほど、この知見はもっと世に広まるべきものだと思うようになりました。
自分の想いや考え、苦しみを真剣に話す、聴いてもらう、という機会はそうあるものではないと思うので、
傾聴というものがもっと世に広まる一端を担えればとても価値ある行動だと思っています。(40代 男性)
養成講座で傾聴を理論的に学んだことで、本来の傾聴の意味を知りました。「苦しみを聴くからこそ援助になる」のですから、
今までの私は聴いたつもりになっていただけだったのでしょう。
聴いていたのではなく聞いていた、もしくは訊いていたのかもしれません。
講座や実習を終えた後、毎回、帰宅途中に自分自身と向き合っていたように思います。
私が考えていたことや感じていたことを「こうだったから理解できなかったのかな」「やっぱりあれで良かったのかな」などと
自分自身を振り返り、私の良い所、悪い所も見えてきたように感じています。(50代 女性)
6日間の養成講座で自分が何か変わったのかを振り返ってみる。一番大きく変わったことは、「傾聴には力がある」ということを実感できたこと。
そこに向かって進みたいと思うようになったことである。
養成講座を受講した時は「傾聴」とは支援者がその人の抱えている問題を解決するために色々な施策(アドバイス等)を行う。
その施策のベースとして、その方の気持ちや伝えたいことを理解するために聴く技術として必要であるという感じに捉えていた。
要するに「傾聴」は主役ではないと思っていた。しかし、6日間の講義、を通して、「傾聴」には“力”があり、傾聴を行うことは、
それだけで援助になるということを繰り返し教えていただき、そのことが自分の中で納得でき、「聴くことは それだけで 援助になる」
ということを実感できるように変わってきた。(60代 男性)
2018年度 受講者の感想
傾聴ボランティアがどのようなものであるか、どのようにお話をお聴きするのかを、
自ら体験できたことは私にとって、とても大切なもの、良い経験になりました。
それだけではなく、傾聴ボランティア養成講座終了後は、自分もまだまだ成長できる、
変わることが出来るのだなと思うことができました。傾聴の技術を使い
、傾聴ボランティア先で初対面の方と1時間も会話することが自分にも出来るのだとわかったことが大きかったです。(30代 男性)
日常生活の中では相手や目的に応じて様々なきき方をしなければならない。そこに、
今回傾聴という聴き方を加えることができたのは、ボランティアとしての活動を除いて考えてみても、
とても有効であると感じている。(40代 女性)
聴くとは何か。耳と、目と、心を分け隔てなく一つにして聴く事であることが実習を通して理解できた。
今まで私は、全てがばらばらで、目は相手を見ていても、耳は声を聞いていても、心が違う方に向かっていたりしていた。
だから、外から見ると一見傾聴している姿に見えるが、内側からみると傾聴していなかった。
傾聴を学んだ今、純粋に傾聴だけで関係性が築けること、傾聴の援助の力を僅かながら実感することができた。(40代 女性)
今回の講習の冒頭で「聴くことはそれだけで援助になる」と教えていただきました。わたしの中では、シンプルで良いと思う反面、
それだけですかという心配の気持ちがありました。また、言葉にすると簡単に思いますが、行動にすると難しさがあることを知りました。
聴くこと、そのためには技術が必要です。(50代 男性)
「聴く」ということは安易な気持ちでは援助にならないし、覚悟がいるということを学ばせて頂きました。
相手が信頼して話せると思えることが援助になる聴き方になり、それには単に人間性という事ではなく
技術が必要であることがわかりました。
この講座では単に聴くということを学んだというだけでなく人と人との関わり方、
人としての生き方についても学ばせていただいたと思います。(60代 女性)
「聴くことは それだけで 援助になる」 傾聴の思想と言われても・・・
「聴くことで 援助する人」 聴く人として現れてと言われても・・・
ちんぷんかんぷんの頭の中、でも何かが近づいている感触がある。届けられる言葉に重量感がある。
傾聴の在りよう、人間の関係性の在りよう。価値ある時間の扉が開かれた。
(中略)
「会員は月1回の研修会で継続した研修を行っている。」というところに誠実さと謙虚さを求められていると感じた。
自分自身の在りようにも、我が人生にも求めたい。(60代 女性)
※このホームページに掲載の傾聴ボランティア養成講座のみが日本傾聴塾の養成講座です。 それ以外の養成講座は「傾聴塾」とは関係がありません。